まえがき

本資料は、平成29年度河川基金助成事業に採択されて実施した申請事業名「宮崎における自然豊かな川づくりのための人材育成の充実」 の成果としてまとめたものである。

これまで多自然川づくりの人材育成を宮崎県河川課と連携して実施してきた。その一層の充実を図るために、これまで宮崎県内において国と県が実施した河川改修事業を対象として、生息環境と自然景観の保全実績を総合的に評価し、模範事例として17箇所を選定して教材として整理して、事業内容の優れた点を明確化した。

それらの結果と実施上の注意点は、宮崎県自然豊かな水辺の工法研究会の研修会で具体的に解説して紹介したが、川づくりの現場において容易に活用できるように加工してホームページに掲載することとした。

多自然川づくりとは

平成18年に国土交通省から「多自然川づくり基本指針」が通知された。それには、治水上の安全性を確保した上で、

  • 河川全体の自然の営みを視野に入れ
  • 地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し
  • 河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境および多様な河川景観を保全・創出する

ことを目指す川づくりのことと説明されている。

その具体として河川生態学術研究会五ヶ瀬川水系研究グループの研究成果を活用して、自然が多様で豊かな川であるための条件として流路の条件と生息場の条件を設定し、その10項目を「いい川づくりのチェックシート1と2」として作成している。

このシートを用いて生息環境と自然景観の保全実績を総合的に評価した結果、17箇所が選定された。

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